Glideとは、スマホなどのモバイルアプリに特化した開発ができるノーコードツールです。アプリ開発には複雑なコードやデータが必要でしたが、Glideにある豊富なテンプレートを活用すれば、誰でも簡単にアプリが開発できます。
ただGlideはシステム全体が英語対応のため、使い方が分かりにくい、どのテンプレートを使えばいいかわからないという人もいるかもしれません。
本記事では、Glideの概要や使い方、Glideを使って開発されたアプリの事例を紹介します。
また、弊社ではGildeと同じようにアプリ開発に特化したノーコードツール「FlutterFlow」や、Webサービスの開発に特化したノーコードツール「Bubble」を使った開発も行っており、これまでに開発した事例をご紹介しておりますので、ぜひご参照ください。
Glideとは|ノーコードのアプリ開発ツール
Glide(グライド)はアメリカのtypeguard社がリリースしたノーコードアプリ開発ツールです。マウスでドラッグ&ドロップしながらアプリ内のデザインを調整し、データベースはGoogleスプレッドシートやairtableなどのツールを利用します。誰でも簡単にアプリが開発できる点が魅力のひとつ。
公式サイトによれば、今までに500,000以上のアプリがGlideを使って開発されています。例えばアメリカの男子プロゴルフツアーを運営するPGAは、紙のチケットでイベントを管理していましたが、Glideを導入して40,000枚もの電子チケットを管理、分析できるようにしたそうです。
料金プランは無料〜有料の5種類
Glideの料金プランは5つあり、プラン内容は下記のとおりです。
| Free | Starter | Pro | Business | Enterprise |
---|---|---|---|---|---|
料金/月 | $0 | $25 | $99 | $249 | $799 |
複数で使用する場合 | 2人 | 5人 | 10人 | 25人 | カスタム |
公開できるアプリ数 | 3個 | 5個 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
登録可能人数(公開アプリ)/月 | 100人 | 1,000人 | 5,000人 | 10,000人 | カスタム |
プロジェクト利用できる行数 | 500 | 5,000 | 25,000 | 25,000 | 100,000〜2023年(予定) |
ファイルストレージ | 200MB | 5GB | 50GB | 1TB | カスタム |
参考:[Pricing|Glide]
無料で開発できるプランでは容量などの制限が多く、個人利用であればProプラン、企業で利用する場合はBusinessプランがおすすめです。
Glideでできること|簡単にアプリ開発ができる?
Glideで開発できるアプリはテンプレートを活用します。テンプレートの一部は下記のとおり。
(※テンプレート名をクリックするとデモページに飛びます。)
テンプレートできることInventory・商品ごとの在庫管理 ・必要な部品の注文 ・注文数の確認Mobile Restaurant・店舗紹介 ・メニュー紹介 ・注文、支払いEmployee Directory・社員情報の管理 ・社員ごとの仕事場を地図で把握 ・社員の検索
テンプレート | できること |
・商品ごとの在庫管理 ・必要な部品の注文 ・注文数の確認 | |
・店舗紹介 ・メニュー紹介 ・注文、支払い | |
・社員情報の管理 ・社員ごとの仕事場を地図で把握 ・社員の検索 |
参考:[templates|Glide]
テンプレートごとに機能が異なるため、作りたいアプリによってテンプレートを使い分ける必要があります。ただ、データベースはExcelやGoogleスプレッドシートで活用した表で開発できます。つまり表の管理ができれば、誰でも簡単にアプリが開発できるということです。
Glideのメリット|簡単で分かりやすい・テンプレートが豊富
ここではGlideのメリットをまとめました。
・Googleスプレッドシートなどの表計算ソフトで簡単にアプリができる
・作りたいアプリに合ったテンプレートが豊富
それぞれ見ていきましょう。
Googleスプレッドシートなどの表計算ソフトで簡単にアプリができる
Glideのデータベースとして利用するのは下記の5つのツールです。
・Googleスプレッドシート
・airtable
・Glide Tables
・Excel
・BigQuery
コードは不要で、必要なのはそれぞれのツールの列です。列ごとに入れた情報がアプリに反映され機能します。アプリで追加した情報は常に同期されるため、それぞれのツールに情報を入れるという最低限の作業で簡単にアプリが開発可能です。
作りたいアプリに合ったテンプレートが豊富
Glideはアプリのテンプレートが100個あり、Webページのテンプレートを含めると200個以上です。
ここでは、目的に合わせたアプリのテンプレートを一部紹介します。
(※テンプレート名をクリックするとデモページに飛びます。)
目的 | テンプレート |
オンラインイベントの日程管理、参加者紹介 | |
タスク管理、タスク全体の確認 | |
観光地における飲食店、観光スポットを地図上で管理 |
目的テンプレートオンラインイベントの日程管理、参加者紹介Conferenceタスク管理、タスク全体の確認Task Tracker観光地における飲食店、観光スポットを地図上で管理City Guide
参考:[templates|Glide]
目的にあったテンプレートは、作業効率化だけでなく事業の経費削減や事業促進にも役立ちます。
Glideのデメリット|日本語対応がない・自由度の低さ
簡単で便利なGlideですが、デメリットもあります。下記の項目で細かく紹介していきます。
・日本語対応がない
・テンプレートによってデザインの自由度が低い
それぞれ見ていきましょう。
日本語対応がない
2023年1月現在、Glideは日本語での対応はありません。サポートや記事を読む場合も英語で対応する必要があります。英語環境での作業に抵抗がある人は苦手意識を感じるかもしれません。
対策として、cromeであれば拡張機能のひとつである「Google翻訳」活用すると良いでしょう。ページ全体を翻訳できるため、問題なく作業を進められます。
テンプレートによってデザインの自由度が低い
Glideのテンプレートはアプリ、Webページを合わせると100個以上ありますが、デザインや機能追加などの自由度が低い点もデメリットといえるでしょう。決められたテンプレートの中でアプリ開発が進むため、基本的にデザインやUIなどを追加することはできません。
デザインや機能の幅を広げたい場合は、有料テンプレートを利用と良いでしょう。例えば、Simple StorはECサイトを開発できる無料テンプレートです。ただ、商品ページにデザイン性を求めたい場合は有料テンプレートのYour eCommerce Storeがおすすめ。カテゴリごとに商品分類ができるため、アプリがより使いやすくなります。
【Glideで実装】サービスの作り方
ここからはGlideで実際にアプリを開発する方法を紹介します。必要な流れは下記のとおりです。
会員登録をしてログイン
テンプレートを選ぶ
Googleスプレッドシートを作成・連携する
アプリの公開
詳しく見ていきましょう。
会員登録をしてログイン|Googleアカウントで簡単登録
まずは公式サイトから会員登録をします。Googleアカウントがあれば、すぐに登録が可能です。
ログイン後、いくつかの必要情報を入力してトップ画面に移動します。
ログイン後の画面はこちらです。ここからテンプレートを選んでアプリの開発を進めていきます。
テンプレートを選ぶ|作りたいアプリによっておすすめが違う
今回は、旅行先のレストランや観光地を紹介するアプリの開発を進めます。利用したのはCity Guideというテンプレート。
テンプレート紹介ページの「Copy Template」を押せば、アプリ開発画面に進みます。
テンプレートに入っているデータがアプリに反映されているため、ここからはデータを書き換えていく作業です。
Googleスプレッドシートを作成・連携する
Googleスプレッドシートを作成する際も、テンプレートのデータを活用します。方法としては、テンプレートのAttractionsのデータをエクスポートして、スプレッドシートに貼り付けるだけ。
実際に、テンプレート内のデータの一部を「八百屋さん」に変更して、電話番号、住所を書き換えました。
GoogleスプレッドシートをGlideに同期させ、アプリ内の情報を作成したスプレッドシートに紐付けます。
すると、該当部分の名称がスプレッドシートで変更したとおりに変わりました。
Glide内でデータを書き換えた場合、Googleスプレッドシートにも自動で同期されています。
住所も書き換えた結果、日本の該当場所の住所にピンが。
このようにテンプレートのデータを使って他の情報を更新していけば、簡単に開発を進められます。
アプリの公開|QRコードでシェアできる
アプリが出来上がれば、「Publish」というボタンで公開できます。アプリのURLを作成する画面になるため、自分の決めたURLを入力すると良いでしょう。
公開されると、リンクとQRコードが発行されます。
発行されたQRコードをスキャンすれば、誰でもアプリを利用できます。公開した後も、定期的にデータを書き換えたり、非公開に変更したりすることも可能です。
登録から公開までにかかった時間は約30分。テンプレートを活用すれば、アプリ開発経験のない人も1時間以内で簡単にアプリが作れることが分かりました。
【実例紹介】Glideで作ったサービス事例5選
ここからは、実際にGlideを使って開発された日本で利用されているサービスを5つ紹介します。
・明治大学生向けの大学情報共有アプリ|Mei-Mei
・東京都稲城市のテイクアウトのお店を紹介|いなぎお弁当マップ
・個人的なおすすめのお店を紹介する|まいどるグルメコンシェルジュ
・避難所情報やや必要な物資を連絡できる|仙台市の避難所MAP
・全国のお茶会の予定をアプリで一括管理|茶会カレンダー
それぞれ詳しく見ていきましょう。
明治大学生向けの大学情報共有アプリ|Mei-Mei
Mei-Meiは2020年3月に、明治大学生向けの大学情報共有アプリです。掲載されている情報は以下のとおり。
・学部別の授業評価
・サークル、ゼミ紹介
・大学雑誌
・駿河台周辺のおすすめ飲食店
・明治大学定型病院
参考:[Mei-Mei]
Mei-Meiのポイントは、開発者が19歳の明治大学の学生ということ。アプリの企画からリリースまでは2週間程度で完了させ、最大16万PVを獲得した実績もあります。アプリ開発者の菅澤さんはMei-Mei開発の背景を下記のようにコメントしています。
“コロナの影響で情報が錯綜する中、明大生にとって必要な情報を整理して届けたかったから”
アプリ開発時の情報登録やデータ管理はGoogleスプレッドシートで行っているため、情報の更新がしやすく、最新情報を届けやすいとのこと。GlideとGoogleスプレッドシートの連携をうまく活用した事例です。
東京都稲城市のテイクアウトのお店を紹介|いなぎお弁当マップ
いなぎお弁当マップは2020年下旬に開発された、東京都稲城市付近のテイクアウトのお店を紹介するアプリです。アプリで利用できる機能は以下のとおり。
・新着情報の確認
・お弁当屋さん情報
・ケーキ屋さん情報
・お弁当屋さん登録
・チャット機能
公式サイトによると、2020年5月時点ですでに5,000人以上のユーザーが利用しているとのこと。稲城市商工会と協力しながらチラシの配布やSNSでの拡散をとおして稲城市のテイクアウトの活動を促進しています。
個人的なおすすめのお店を紹介する|まいどるグルメコンシェルジュ
まいどるグルメコンシェルジュは浪川 舞(まいどる)さんが開発した、おすすめの飲食店を紹介するアプリです。
まいどるさんが基本的なUIの構築などでアプリ開発に使った時間は約3時間。ただ、Googleスプレッドシートを読み込んでUIアプリを設定するまでにかかった時間が10分ほどだったそうです。
まいどるさん会社PeerQuestの公式YouTubeでは実際に開発した様子が紹介されています。動画を見ながら開発までの様子を学びたい人は参考にしてみてください。
避難所情報や必要な物資を連絡できる|仙台市の避難所MAP
仙台市の避難場所MAPは2021年2月14日に、よーこふ(@yokof_88)さんという方が1日で開発した、仙台市の避難所に関する情報をまとめたアプリです。
アプリでできることは、以下のとおり。
・避難所の場所
・避難所への口コミ
・必要な物資情報の登録、コメント
・災害ニュースの確認
位置情報から自分の1番近い避難所の把握や、避難所ごとに必要な物資を連絡できるため、災害時の情報共有の場として活躍するかもしれません。
NHKや気象庁の災害に関するニュースの検索やTwitterで「#地震」の検索結果の確認など、災害に関する情報を一括で確認できる機能も魅力的です。
全国のお茶会の予定をアプリで一括管理|茶会カレンダー
茶会カレンダーは茶会.jpの開発した、全国の茶会情報を共有するアプリです。茶会は流派ごとに分かれ、気軽に参加しづらいという声を反映して作られました。
アプリで利用できる機能はこちらです。
・茶会の登録
・全国の茶会の日程の確認(茶会カレンダー)
・茶会の検索
茶会.jpの公式サイトでは、茶道に関する知識や体験記などの記事を掲載しています。茶道に興味があり、気軽に参加できる茶会を知りたい人はぜひ利用してみてください。
まとめ
本記事では、Glideというノーコードアプリ開発ツールについて使い方や導入事例、実際にアプリを作る方法を紹介しました。GoogleスプレッドシートやExcelなどの表計算ツールをデータベースとして簡単にアプリが開発できるGlideは世界中で活用されています。
まずは無料版を利用して、テンプレートを活用したアプリを作ってみてください。データをまとめてアプリに落とし込むだけで作業効率が上がり、事業の手助けになるかもしれません。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!