FlutterでWebアプリ開発できる?Flutter開発でのメリットや注意点・導入事例まで徹底解説
- シースリーレーヴ編集者
- 2 日前
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「Webアプリを開発したいけれど、できるだけ効率よく、スマホにも対応できたら嬉しい」 そんな方に注目されているのが、Googleが開発したアプリ開発フレームワーク「Flutter(フラッター)」です。
これまでFlutterといえばモバイルアプリ開発のイメージが強くありましたが、実はWebアプリにも対応しており、スマホとWebを同時に開発できるツールとして、いま再注目されています。
この記事では、Flutterの基本から、Webアプリに活用するメリット・注意点、導入事例、他の選択肢との比較まで、初心者にも分かりやすく丁寧に解説していきます。
目次
Flutterとは?

Flutterは、Googleが2017年に公開したクロスプラットフォーム開発フレームワークです。
従来、アプリを開発する際は、iOSなら「Swift」、Androidなら「Kotlin」など、それぞれのOSに合わせたプログラミングが必要でした。しかしFlutterを使えば、1つのコードベースで複数の端末に対応するアプリを作ることができるのです。
2021年以降、FlutterはWebやデスクトップにも正式対応し、いまでは以下のようなプラットフォームで利用可能です。
スマートフォン(iOS / Android)
Webブラウザ(Chrome, Safari, Edge など)
Windows / macOS / Linux のデスクトップアプリ
使われている言語は「Dart(ダート)」
Flutterでは「Dart」というプログラミング言語を使います。DartはJavaScriptに似た文法を持ち、学習コストは比較的低め。モダンな開発スタイルに対応しており、Webとの親和性も高いのが特徴です。
FlutterでWebアプリを作るメリット

Flutterは非常に魅力的な技術ですが、Webアプリ開発においては得意な部分と苦手な部分があります。以下に詳しく解説します。
✅ Flutterのメリット(Web開発における強み)
1. 一つのコードでスマホ・Webに同時対応できる
最大のメリットは、モバイルとWebの両方に対応したアプリを1回の開発で作れることです。たとえば、社内ツールをスマホとPCの両方で使えるようにしたい場合、Flutterであれば別々に開発する必要がありません。
2. 高品質なUIをすばやく構築できる
Flutterでは「ウィジェット」と呼ばれる部品を組み合わせて画面を構築します。これにより、洗練されたデザインの画面が短時間で作れるほか、Android・iOS・Webで統一された見た目を実現可能です。
3. 開発スピードが早く、学習コストもそれほど高くない
ReactやVueと同様に、**ホットリロード(変更後すぐ画面に反映)**機能があり、トライアンドエラーを高速で回せます。また、Dart自体もJavaScriptに似ていて、ある程度プログラミング経験のある人であれば習得はスムーズです。
⚠️ Flutterのデメリット・注意点(特にWebで使う場合)

1. SEO(検索対策)に弱い
Flutterで作成されたWebアプリは、初期状態では検索エンジンに情報を認識されづらいという弱点があります。これはFlutterがJavaScriptで動的に画面を生成するSPA(Single Page Application)だからです。
検索流入が重要なWebメディアやECサイトには向いていませんが、社内ツールやログイン制のサービスであれば問題ないケースも多いです。
2. 表示速度がやや遅くなることがある
FlutterのWebアプリは、最初に画面全体を読み込むため、初期表示がやや遅くなる傾向があります。画像やライブラリを圧縮したり、コード分割を導入するなどの工夫が必要です。
3. 一部のWeb APIやブラウザ機能に非対応
FlutterのWeb対応は日々進化していますが、一部の外部ライブラリやブラウザ固有の機能に対応していないことがあります。事前に要件と対応状況を確認することが重要です。
FlutterでWebアプリを開発する手順と流れ

ここでは、Flutterを使ってWebアプリを作る一般的な流れを解説します。実際の開発ではエンジニアが行いますが、全体像を把握しておくことで外注時や社内説明に役立ちます。
ステップ1:Flutterの開発環境を準備
Flutter SDKをインストール
開発用エディタ(VS Code や Android Studio)を用意
Web対応を有効にするコマンド(flutter config --enable-web)
ステップ2:プロジェクトの作成と画面設計
flutter create プロジェクト名で新規作成
トップページやフォーム、一覧画面などをDartコードで組み立てる
ボタン・テキスト・画像などは「ウィジェット」として配置
ステップ3:ルーティング・データ管理の実装
ページ切り替えにはNavigatorを使う
状態管理はProviderやRiverpodなどが主流
外部APIとの連携も可能(例:Google Sheetsや自社サーバ)
ステップ4:動作確認とデバッグ
PCブラウザで確認(Chrome、Edgeなど)
開発中は「ホットリロード」で修正を即時反映
レスポンシブ対応(スマホでも見やすい表示)を確認
ステップ5:本番公開(デプロイ)
Firebase Hosting、Vercel、Netlifyなどのクラウドサービスにアップロード
独自ドメイン設定・HTTPS化も簡単
SEOやパフォーマンス改善を施す
Flutterで作られたWebアプリの事例と活用シーン

Flutterで作られたWebアプリの事例と活用シーン【実例・業種別活用を詳しく紹介】
Flutterはモバイルアプリ開発で広く使われている一方、Webアプリ開発ではまだ情報が少ないと感じる方も多いでしょう。しかし、実はFlutterで開発されたWebアプリの導入事例は着実に増えています。ここでは、具体的な事例や業種ごとの活用方法を紹介します。
🔸 実際にFlutterで構築されたWebアプリの事例
■ Google I/O公式サイト(イベントWebアプリ)
Googleが毎年開催している開発者向けイベント「Google I/O」の公式Webサイトは、Flutterで構築されました。イベント情報の一覧やセッションの予約、スピーカー情報の閲覧などをスマホ・PC両方で快適に操作でき、Flutterが大規模なWeb UIにも適応できることを証明した代表例です。
■ Rive(アニメーション作成ツール)
Riveは、インタラクティブなアニメーションを作成・共有できるWebベースのツールです。RiveのフロントエンドはFlutterで開発されており、複雑なUIインタラクションをなめらかに動かす実用例として評価されています。
■ Flutter Gallery(Google公式デモ)
FlutterのUIコンポーネントや機能をデモ形式で体験できる公式サイト。ビジネス用途ではないものの、FlutterがどのようなUIをWeb上で再現できるかを体感できるショーケースとして価値があります。
🔸 Flutter Webの活用が進む業種とユースケース
■ IT・スタートアップ企業|プロトタイプ・MVP開発
スタートアップが新規サービスをテストする際、Flutterは短期間でスマホとWebに対応したプロトタイプを作れるため、最小構成での実証実験(PoC)に非常に適しています。 例:SNSアプリの管理画面、予約管理サービス、社内用CMSなど。
■ 飲食・サービス業|スタッフ向け業務管理アプリ
飲食チェーンなどでは、タブレットやPCで使うスタッフ管理ツールや日報アプリの需要が高まっています。FlutterはUIが美しく、かつWebで手軽に運用できるため、現場に馴染みやすい業務アプリ開発にも向いています。
■ 教育・研修系|マルチデバイス対応の学習サービス
学習管理システム(LMS)やeラーニングサービスでは、「スマホとPCの両対応」が必須。Flutterは生徒側も教師側も1つのコードで対応可能なため、開発・運用の手間を大きく削減できます。
■ 製造業・物流|工場・倉庫内の簡易システム
倉庫内でのピッキングアプリや在庫確認アプリなど、高機能は不要だがUIは使いやすくしたいというニーズにマッチ。業務端末のブラウザでも動作し、コストを抑えながらデジタル化が進められます。
他のWeb開発手法とどう違う?Flutter vs React / Vue

他のWeb開発手法とどう違う?Flutter vs React / Vueの徹底比較
FlutterはWeb開発の主流であるReactやVueとどう違うのか、選定に迷っている人のために、より詳しくポイント別に比較します。
比較ポイント | Flutter(Dart) | React / Vue(JavaScript) |
対応プラットフォーム | スマホ、Web、PC、タブレット | 主にWeb(スマホは別途開発が必要) |
UI表現力 | 非常に高く、ネイティブに近い操作感 | 高いが、CSSに依存。統一感はやや劣る |
開発スピード | 画面が早く作れるが、Dartの学習が必要 | 初心者でも入りやすく学習コストが低い |
エコシステム | モバイル寄り。Web向けパッケージは増加中 | Web中心で豊富なライブラリがそろっている |
SEO対策 | 弱め。SSRや静的生成に非対応(工夫が必要) | 強め。Next.jsやNuxt.jsでSSRに対応可能 |
パフォーマンス | 高品質だが初期ロードがやや重め | 非常に高速。特に表示速度に優れる |
開発チームの構成 | Webとアプリを1チームで開発可能 | Webとアプリを別チームで開発するケースが多い |
✔ Flutterが向いているケース
スマホとWeb両方を同時に対応させたい
デザイン性やUIのなめらかさを重視する
社内ツールやクローズドなWebサービスなど、SEOが重要でないケース
✔ React / Vueが向いているケース
検索エンジン経由の集客が重要なWebサイト
軽量で表示の早いページが必要
Web制作の経験者が多く、既存のスキルを活かしたい場合
Flutterを使ったWebアプリ開発を検討している方へ

Flutterを使ったWebアプリ開発を検討している方へ【導入検討の視点と進め方】
Flutterに興味があるけれど、実際にどう導入すればいいのか分からない――そんな方のために、ここでは導入の検討ポイントと進め方を具体的にご紹介します。
🔹 社内リソースで内製開発を検討する場合
自社にエンジニアが在籍している場合、まずはFlutterで簡単なツールを作ってみることで、スキルセットの確認と技術的な適性判断ができます。
社内用のフォームアプリや勤怠記録アプリなど、小規模からのPoC開発に非常に適しています。
また、DartはWebエンジニアにとっても比較的習得しやすく、学習教材も豊富です。
🔹 外注(開発会社への依頼)を検討する場合
■ 開発パートナー選定のポイント
FlutterのWeb開発実績があるか
モバイルとWebを同時に対応できるチーム体制が整っているか
SEOやホスティング面まで含めて運用支援ができるか
■ 料金相場の目安(MVP開発の場合)
開発内容 | 料金の目安 | 開発期間 |
シンプルな業務アプリ(3画面程度) | 約50〜80万円 | 1ヶ月〜1.5ヶ月 |
一般ユーザー向けツール(ログイン、フォームなど) | 約100〜150万円 | 2ヶ月〜3ヶ月 |
モバイルとWebを同時リリース | 150万円〜300万円前後 | 3ヶ月〜 |
🔹 よくある導入の失敗例とその対策
SEOが必要なサービスに使ってしまった → Flutter WebはSEOに弱いため、公開型メディアやブログには不向きです
スマホ用のUIしか考えていなかった → Web表示時のレイアウト崩れや使いづらさを防ぐため、レスポンシブ設計が重要です
Flutter対応の外部ツールを見落としていた → 決済・地図・SNS連携など、必要な機能がFlutterで使えるか事前に確認しましょう
まとめ|Flutterは「スマホ×Web」に最適な次世代開発ツール
Flutterは、スマホアプリとWebアプリを同時に構築できる数少ない技術です。 特に以下のようなニーズを持つ方に最適です。
限られた予算・期間で「両対応」のアプリを作りたい
UIや操作感にこだわったサービスを提供したい
プロトタイプや社内ツールをスピード感を持って立ち上げたい
一方で、SEO対策やWeb専用の軽量表示が求められる場合には、ReactやVueなど他の選択肢も検討すべきでしょう。
Flutterはまだ発展途中の技術ですが、今後さらにWeb対応が強化されていくことは確実です。 いまのうちに検討・導入を始めることで、競合に先んじて技術優位性を確保することも可能です。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!