Webエンジニアとして活動したい人にとって、どのWeb開発言語を学ぶかで働く会社や仕事内容が変わります。また、システム開発に携わると複数のWeb言語に触れる機会も増えてくるでしょう。Web開発言語の基礎やトレンドを知っているだけで仕事に役立つかもしれません。
本記事ではWeb開発言語の入門編として、Web開発言語の基礎知識や目的ごとに異なる9つの言語の紹介、近年のトレンドについて紹介します。本記事を参考にシステム開発についての知識を深めてみてください。
また、近年では新たな開発手法として、システム開発より安く、早く、ハイクオリティな開発ができる「ノーコード開発」も注目されています。記事の後半にて「ノーコード開発言語」についてもご紹介しておりますので、ぜひ参照ください。
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【システムごとに違う】Web開発言語に関する基礎知識
まず、Web開発言語の基礎知識について紹介します。ここで紹介するのは以下の4点です。
・Web開発言語の基礎知識
・クラウドとサーバーの関係
・Webエンジニアが学ぶべき言語
・日本国内で人気のWeb言語5選
それぞれ詳しくみていきましょう。
Web開発言語とは?|システム開発ごとに適した言語がある
Web開発言語とは「プログラム言語」「プログラミング言語」など複数の呼び方があります。IT用語辞典バイナリによると、プログラミング言語とは下記のことを指します。
“計算機(パソコン)に対して動作手順、動作方法、動作内容などを適切に指示するために用いられる、人工的に構成された言語体系のことである。”
引用:[プログラミング言語|IT用語辞典バイナリ]
つまり、パソコン上に情報を表示するためには、パソコンが理解できる言語を利用しなければいけないということ。それがWeb開発言語(プログラミング言語)です。
表示する場所がWebやサーバー、アプリなどのシステムによって適した言語は異なります。
クライアントとサーバーの関係|2層に分かれるWebシステム開発
Web開発言語やシステム開発を学ぶ中でよく出てくる言葉に「クライアント」と「サーバー」があります。2つはシステムの仕組みに大きく関わる言葉で、データを表示する場所を指します。
クライアントとは利用者が閲覧する場所である端末やWebブラウザのこと。スマートフォンを開いてCromeを使ってWebページを見る行為はクライアントが利用されています。
一方サーバーとは、クライアントが何かを検索した際に情報を提供する場所のこと。例えば、検索画面で「プログラミング」と検索して結果が表示されるには、クライアント側からインターネットを通してサーバーに要求が伝わり、サーバーが情報を送るという作業が行われています。
Webシステム開発はクライアントとサーバーで大きく2層に分かれており、クラウド側で必要な言語とサーバー側で必要な言語が違います。
Webエンジニアは専門分野によって利用するWeb開発言語が異なる
Webエンジニアは、開発するシステムやシステム内のどの部分を開発するかで、必要な開発言語が異なります。
下記に開発するシステムごとに必要な言語をまとめました。
開発するもの開発する場所必要なWeb言語Webサイト
開発するもの | 開発する場所 | 必要なWeb言語 |
Webサイト | クライアント | HTML CSS JavaScript |
Webサイト | サーバー | PHP Ruby |
アプリケーション | クライアント | HTML CSS JavaScript |
アプリケーション | サーバー | Java PHP Ruby Python |
サーバー側の言語は種類が増えるため、特にサーバー側の開発に携わりたい人は適した言語を確認しておくと良いでしょう。
日本国内で人気のWeb言語5選
1. JavaScript
Web開発における最も普及している言語の一つであるJavaScriptは、クライアントサイドのスクリプト言語として広く使用されています。日本国内でも、ウェブサイトやウェブアプリケーションのフロントエンド開発において中心的な役割を果たしています。React、Vue、AngularといったJavaScriptフレームワークやライブラリは、開発の効率化と品質の向上に貢献しており、日本の開発プロジェクトでも頻繁に採用されています。
2. Python
Pythonは、そのシンプルさと汎用性から、日本国内外問わず人気があります。Web開発では、DjangoやFlaskといったフレームワークを利用して、バックエンドシステムの構築に使用されます。また、Pythonはデータ分析、機械学習、AI開発などの分野でも広く利用されており、これらの技術をWebサービスに統合する企業にとって重要な言語となっています。
3. Ruby
Ruby、特にRuby on Railsフレームワークは、日本で生まれた言語であり、日本国内のWeb開発コミュニティでは依然として人気があります。開発の迅速化と生産性の高さから、多くのスタートアップ企業や中小企業で採用されています。Ruby on Railsは、短期間で高品質なWebアプリケーションを開発することを可能にします。
4. PHP
PHPはWeb開発専用に設計された言語であり、日本国内の多くのWebサイトやアプリケーションでバックエンド言語として使用されています。WordPressなどのコンテンツ管理システム(CMS)がPHPで書かれているため、PHPの知識はWeb開発者にとって依然として価値があります。PHPは、特に中小規模のプロジェクトや個人のプロジェクトで好まれています。
5. TypeScript
TypeScriptは、JavaScriptに型システムを加えた言語であり、大規模なアプリケーションの開発において、より安全で管理しやすいコードを実現します。日本国内の開発者の間でも、TypeScriptの採用は増加しており、特にエンタープライズレベルのアプリケーション開発でその価値が認められています。
開発に必要なWeb言語11選|目的別に一覧で紹介
ここからはWeb開発に必要な言語を11個紹介します。
【クライアントサイド】
・HTML
・CSS
・JavaScript
・TypeScript
【サーバーサイド】
・Java
・PHP
・Ruby
・Python
・Go
【その他】
・ノーコード開発Bubble
・ノーコード開発FlutterFlow
それぞれ詳しくみていきましょう。
【フロントエンド】クライアントサイドのシステム開発で使う言語4選
まずは、クライアントサイドのシステム開発で利用される言語を4つ紹介します。
・HTML
・CSS
・JavaScript
・TypeScript
それぞれ詳しく紹介します。
HTML|Web上に文章を表示させる
Web上で日本語や英語などの文字を閲覧するには、コンピューターに「〇〇という文字を表示させて」と命令しなくてはなりません。HTML(Hyper Text Markup Language)とはWeb上に文章を表示させるための言語です。
HTMLの歴史は長く、1989年に欧州原子核研究機構(CERN)でイギリスの計算機科学者ティム・バーナーズ・リー氏によって開発されました。その後バージョンが更新され、2023年1月現在は、HTML Living Standardと呼ばれる仕様です。
HTMLは学びやすく、簡単に学べる点がメリットです。Web制作などのWebサイトを作りたい人が学ぶのにおすすめの言語です。
CSS|Web上の文章を装飾する
CSS(Cascading Style Sheets)とは、テキストやサイト全体の装飾を指示する言語です。例えば、文字の色を変えたり、アンダーラインを引いたりする場合はCSSを利用します。
CSSはHTMLが開発された7年後の1996年12月にCSS1が勧告(公開)されました。現在は2011年にCSS2.1が最新ですが、すでにCSSの次世代バージョンとしてCSS3が策定中です。
また、近年はCSSに変換できる言語である「SaaS(Syntactically Awesome Style Sheets)」の活用も増えています。実際に、Information Services Group(ISG)が2021年に行った調査によると、2019年から2021年にかけて64%の企業がSaaSプラットフォームを利用しているとのこと。
CSSだけでなく、SaaSを扱えるようになると仕事の幅が広がります。
JavaScript|ブラウザに動きを加える
JavaScriptとはWebサイトに動きを加える際に使用します。例えば、Webページでおすすめ記事が数秒ごとに移り変わっている機能はJavaScriptが利用されています。
JavaScriptがあれば、HTMLやCSSだけで作られたWebサイトよりも動きのあるサイトに仕上がります。
さらにJavaScriptはサーバサイドの開発にも利用でき、JavaScriptだけでアプリを開発することも可能。Webサイト以外のシステムやアプリの開発に興味のある人は、JavaScriptが役立つでしょう。
TypeScript|JavaScriptの進化系
TypeScriptはMicrosoftによって開発されたJavaScriptを拡張した言語です。
JavaScriptと比べて、大規模な開発に対応できる点が特徴です。2017年にGoogle社が社内の標準開発言語としてTypeScriptを採用し、需要が高まりました。実際にThe State of JavaScript 2019によると、世界におけるTypeScriptの利用率は58.5%です。
引用:[Category Overview|The State of JavaScript 2019]
今後も利用率は増加する可能性があるため、TypeScriptの知識をつけるのもおすすめです。
【バックエンド】サーバーサイドのシステム開発で使う言語5選
次に、サーバーサイドのシステム開発で利用する言語を紹介します。
・Java
・PHP
・Ruby
・Python
・Go
それぞれ詳しくみていきましょう。
Java|アプリケーション開発に強い
Javaは汎用性が高く、Webアプリケーションをはじめ、業務システムやゲーム開発でも活用されます。JavaはJVMと呼ばれるJava仮想マシンを使ってプログラムを実行します。そのため、iOSやAndroidなどのOSに依存せずアプリの開発ができる点が魅力です。
大規模な開発に向いているという特徴をもち、多くの企業でJavaが利用されています。
TwitterやGoogleはJavaを使って開発されています。
PHP|サーバーサイドとクライドサイドを繋げる、汎用性の高い言語
PHPはサーバーサイドとクライドサイドを繋げる役割を果たします。データベース連携に強く、HTMLにコードを埋め込むことができるため、汎用性が高いのが特徴。
例えば、ブログ作成ツールであるWordpressはPHPで開発されています。
バックエンド、フロントエンドどちらにも必要となる言語であるPHPは、Webエンジニアとしての仕事の幅を広げるためにもおすすめの言語といえるでしょう。
Ruby|簡単で使いやすく、シンプルな文法を持つ言語
Rubyは1995年にまつもとゆきひろ氏によって開発された言語です。 日本で初めて国際電気標準会議(IEC)で国際規格に認証されたプログラミング言語として有名です。
アプリケーション開発に強みを持っており、Rubyを使って開発されたサービスは次のとおり。
・fulu
・クックパッド
・食べログ
Rubyの強みは読みやすくて書きやすく、少ないコードで開発ができる点です。Ruby on Railsと呼ばれるフレームワークを使えば、他のフレームワークより高速でwebアプリケーションを作ることができます。
Python|AI開発に向いているプログラミング言語
Pythonはオランダ人のグイド・ヴァンロッサム氏によって1991年に開発されたプログラミング言語です。2023年1月現在は2019年に公開されたバージョン3.8が最新です。
Pythonは読みやすく構造がシンプルな点が特徴で、大量の情報を活用するシステムで役立ちます。
Pythonで作られたサービスは下記のとおりです。
・YouTube
・Dropbox
・Amazon
日本でもPythonの利用率が増加しており、日経クロステックの実施した「プログラミング言語利用実態調査2021 夏」では、「ITエンジニアが最も利用しているプログラミング言語」という項目でPythonが15.8%で1位になっています。
PythonはAI開発に適した言語としても有名です。AI関連の開発が進む中、Pythonは今後も需要のある言語として考えられます。
Go|高速処理ができ、使いやすい言語
Go言語は2009年にGoogleによって開発され、2012年にリリースされたプログラミング言語です。2023年1月現在はGo1.19が最新バージョンです。
Go言語の特徴は、高速処理と使いやすさです。クロスコンパイルと呼ばれる異なる機種やOS向けのコードを生成する機能によって、アプリケーション開発で多く利用されます。OSに依存しない仕組みは、大規模なシステムやアプリケーションでの利用で活躍。
実際にGo言語が利用されているサービスは以下のとおりです。
・メルカリ
・ぐるなび
・American Express
・YouTube
American Expressでは支払いのネットワークで活用されており、Go言語は保守管理などの安全性にも優れています。今後のアプリケーション開発などでの活躍が期待されるプログラミング言語のひとつでしょう。
【その他】新たな開発手法として近年注目を浴びているノーコード・ローコード開発言語2選
従来のシステム開発は、プログラミング言語を用いてコードを記述する方式が主流でしたが、近年注目を集めているのが、コードを書かずに開発できる「ノーコード開発」です。
ノーコード開発は、従来のシステム開発に比べて、開発期間と費用を3分の1程度に抑えることができ、コストパフォーマンスが大きな魅力です。またセキュリティやバグ対策も常にアップデートされ、最新であるため、システム開発と遜色のないサービスを開発することができます。
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